筋肉が力を出す時、一般的には縮みながら力を出すことを思い浮かべると思います。肘を曲げるときの上腕の力こぶですね。
これを短縮性収縮というのですが、この他に筋肉の長さを変えない等尺性収縮と伸ばしながら力を発揮する伸張性収縮というのがあります。
以前のブログでも同じような内容を違った角度から述べていますが、お腹の筋肉を固くしてしまって(腸腰筋群を使って、お辞儀の動作や足を上げる動作などが行われています)、腰を曲げるような動作でこの部分が使われないことにより、腰背部の筋肉に伸張性の負荷が大きくかかってしまうために腰痛になるケースが多々見られます。(大概、前曲げの動作や靴下を履く動作が厳しくなります)。
イメージ的にも筋肉が距離を短くしながら動作を行う方が伸ばしながら行うことよりも効率が良いというか自然な感じがしますよね。実際には、主導筋と拮抗筋という形でお互いが助け合って力を出しているのですが、この腰痛のパターンは主導筋の腹筋群の働きが弱いために腰背部の筋肉の負担が大きすぎて腰痛になっています。
この場合、仰向けに寝て足を上げようとしても腰が痛くて上がらない。もしくは、腰と布団の間に隙間が出て腰が張るなど寝づらい感覚が出ます。このような症状の場合は、腰ではなく、お腹の筋肉群の緊張をとると腰痛が改善します。腰が痛くて前に曲げられず、腰の治療をしているけどなかなか改善しないという方はお腹の筋肉の効果を疑ってみることも大事かと思います。